マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号 ポイント獲得ならずも手応えありの開幕戦に

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2025 SUPER GT第1戦「OKAYAMA GT 300KM RACE」
4月12〜13日 岡山国際サーキット(岡山県)

 

22025年SUPER GTシリーズGT300クラスに参戦する#5 マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号は参戦体制を変更。チーム2年目の塩津佑介(26歳)のパートナーとして2023年スーパーフォーミュラライツのチャンピオンであり昨年はスーパーフォーミュラに参戦した木村伊織(25歳)を迎え入れた。ふたりは鈴鹿レーシングスクールの同期生であり旧知の仲。若い新コンビでチームの初優勝を狙うこととなった。  今季はGT300(旧JAF-GT)車両とGT300MC(マザーシャシー)車両の車両規定が変更され、速度抑制のためにフロントタイヤのサイズがダウン。また公式予選は2023年までと同様のノックアウト方式に変更された。開幕前に実施されたテストの多くは低温でウェットコンディションが多く満足な走り込みができなかったが、昨年の岡山大会では一時6位を走行し速さをアピールしただけに、この開幕戦でも活躍を見せたいところ。

予選日朝の公式練習は晴れ/ドライ気温15℃、路面温度23℃というコンディションで始まった。ここでは塩津が22周、木村が28周を走りタイヤとセッティングを確認。塩津のマークしたベストタイム1分26秒622はトップと1秒414差の15位ながら、良い感触の得られたセッションとなった。

 

 

◆公式予選

昨年より参加台数が1台増え28台となったGT300クラスのQ1は、A、Bグループの組み分けが昨年のランキングにより区分され、マッハ号はAグループに。14台中上位9位に入ればQ2への進出がなる。14時に始まったQ1、塩津はコースインしてタイヤを暖め4周目に1分29秒912、そして5周目にアタックをかけ1分26秒151で3位につけた。直後に塩津のタイムを上回る車両があり4位となったが、無事Q2進出を果たした。 14時53分に始まったQ2では木村がコースイン。5周目にアタックをかけたが1分25秒769で14位。木村はさらにアタックを続け次の周に1分25秒179へタイムアップし10位につけた。これで決勝は5列目からのスタートとなり上位ゴールへの期待が高まった。

「朝の走り出しからいい感じだなというのはありました。岡山は一番好きなサーキットなので良い結果でした。明日はちゃんと最後まで走って次につなげたいです」と笑顔の塩津。「テストではシミュレーション不足でしたがQ2進出できたのは良かったです。アタックラップは遅いクルマに詰まってしまいそれがなければ6位ぐらい行けたのですが。決勝は完走してポイント取ることだと思うので、引き続き集中します」と木村は気持ちを引き締めた。

 

◆決勝レース

決勝日の13日は未明から弱い雨が降り始め、朝の段階では霧雨のような降り方。しかし決勝前のウォームアップ走行では本降りの雨となった。気温11℃、路面温度15℃という13時10分に300km(トップ車両は82周)の決勝レースはセーフティカー先導でスタートした。コースコンディションを入念にチェックし4周完了でバトルがスタートした。

 

しかし直後の1コーナー先でGT500クラスのマルチクラッシュが起き、GT300車両が1コーナー先への進入時はパーツが散乱して隊列は混乱。スタートを担当した塩津も順位を2つ落とすことになった。レースはすぐにセーフティカー(SC)が導入されたが、直後に中断となった。雨の上がった13時55分にSC先導でレースは再開。コースはウェットコンディションのままだったが10周完了でバトルが再開され、このラップで塩津は順位を17位まで落とすことになった。軽量なMC86はウェットコンディションではトラクションが掛からず、塩津は苦しい走行を強いられた。

 

さらに無線のトラブルでピットからの連絡は取れるもののドライバーから連絡が取れない状況に。22周目には1台の車両がコース脇で停止したことからFCY(フルコースイエロー)が導入。4分でリスタートとなるがその際に接触を受け21位にまで順位を落とすことになった。レースも1/3 が経過し早めのピットインをする車両もあり、塩津は徐々に順位を上げ31周目には16位まで順位を回復。路面は徐々に乾いて来たが、タイヤ無交換もあると思った塩津はレインタイヤの摩耗を極力抑えて周回し36周目にピットインした。

 

ここでドライバーは木村に交代。燃料補給を済ませ、路面が乾いて来たことからドライタイヤに交換した。しかしまだドライタイヤの性能は発揮できない路面状態で、木村は26位まで順位を落とすことになった。無線は完全に通じない状況となり木村はとにかく前を追うが、どの車両がターゲットなのか自分の順位も分からない状態。45周を過ぎたあたりからようやくドライタイヤが性能を発揮。木村は徐々に順位を上げて60周目には18位まで順位を上げた。  63周目にはこの日2回目のFCY導入からSCランへ。隊列を整えた時点でクラストップとは周回遅れとなり、これで上位への順位アップは難しい状態に。リスタート時に一旦順位を落とすもファイナルラップで2台をかわした木村は17位でチェッカー。レース終了後に13位でゴールした車両が失格となり結果的には16位という結果となった。今季から15位までポイントが与えられることになっていたが、完走はしたものの残念ながらノーポイントとなった。

 

次の第2戦は、5月3〜4日に富士スピードウェイ(静岡県)において3時間レースとして開催予定。

 

 

◆塩津佑介

「スタート直後は雨量も多くたいへんでした。特に軽量なマザーシャシーはウェットコンディションでは厳しい状態でした。さらに無線が壊れていてピットからの声は聞こえてはいましたが、こちらからの連絡は取れませんでした。コースは濡れている状態だったのでタイヤ無交換もあるのかなとタイヤを労って走りました。無線が入ったのでピットインしましたが、ドライタイヤに交換することになり、それだったらもっとタイヤを使って走っても良かったのかなと。それでも去年よりもポジティブな部分が多いレースになりました」

 

◆木村伊織

「無線のトラブルで自分の状況が全く分からない状況で、いつゴールするのか今何位なのか何も分からなかったので、目の前のクルマをひたすら抜いていくことだけに集中しました。ただそういうことも想定して準備できたことはあったので、チームとしてもっと良くできることがたくさんありました。これはレースをやってみて分かったことなので、もっと詰めきっていかないとと思いました。今回は運が悪かったね、ではなくこれも収穫だと切り替えて、運が悪くても勝てるようにしていきたいと思います」