はじめに
GT-R R35は、単なる日産のフラッグシップスポーツカーにとどまりません。世界に出た瞬間から「ゴジラ(Godzilla)」という異名を背負い、スーパーカー戦争の中で独自のアイデンティティを築き上げてきました。呼び名には、その国や文化がGT-Rをどう見ていたかが凝縮されています。今回は海外Wikipediaをもとに、GT-R R35が世界でどんな呼び名を得て、なぜそう呼ばれるようになったのかを、トリビアや逸話を交えながら10,000文字規模で徹底的に掘り下げます。
1. 「ゴジラ(Godzilla)」――オーストラリア発の異名
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この呼び名は1980年代後半、R32 GT-Rがオーストラリアのレースを席巻した際に雑誌『Wheels』誌が命名。
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「日本から来た怪獣がサーキットを破壊する」というニュアンスで広まった。
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R35でもこの異名は継承され、欧米メディアでも普通に「Godzilla」と表記されるようになる。
逸話:オーストラリアの観客は「GT-Rが勝つとレースがつまらなくなる」と揶揄したが、それも圧倒的性能へのリスペクトだった。
2. 「ジャイアントキラー(Giant Killer)」
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欧州メディアは、GT-Rがフェラーリやポルシェといった伝統的スーパーカーを打ち破る姿を「ジャイアントキラー」と評した。
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特にニュルブルクリンクでの市販車最速タイム樹立(2007年)で、この呼び名が浸透。
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「庶民の手が届くスーパーカー」が巨人を倒す姿は、ユーザーに熱狂的支持を生んだ。
3. 「プレイステーション・オン・ホイールズ」
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英『Top Gear』は「The GT-R is less a car, more a PlayStation with wheels」と評した。
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膨大な電子制御で誰でも速く走れる設計は、ゲーム機のように「ユーザーに優しいが異常に速い」存在と受け取られた。
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一部では皮肉混じりだったが、多くの若者に「夢のような現実」として響いた。
4. 中東での「デザート・モンスター」
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ドバイやサウジでは「砂漠で最速の怪物」と呼ばれた。
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砂漠のハイウェイをフェラーリやランボルギーニと並んで走る姿が話題に。
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耐久性と四駆システムが砂漠走行でも安定感を発揮したため。
5. 北米での「ポルシェキラー」
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R35が米国市場に投入された際、比較対象は常にポルシェ911。
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『Car and Driver』や『MotorTrend』は「日本から来たポルシェキラー」と大きく報じた。
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ポルシェとのニュルタイム論争は、ブランド間の因縁をさらに深めた。
6. ヨーロッパでの評価と呼び名
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英国では「ドイツ車を震え上がらせた日本車」として報じられる。
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ドイツ本国では「ジャパニッシャー・パンサー(日本の戦車)」と呼ぶファンもいた。
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BMWやアウディと違い、徹底的にスピードに振り切った存在として「アンチ・ポルシェ」とも呼ばれた。
7. 中国市場での呼び名
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中国では「战神(戦神)」、つまり「戦いの神」と呼ばれることが多い。
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カルチャー的に“神格化”され、カーメディアだけでなくゲームやアニメでも「戦神GT-R」として登場することが多い。
8. ニックネームが生んだ文化的現象
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「ゴジラ」という呼び名は単なる異名ではなく、ファン同士の合言葉に。
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海外オーナーズクラブは「Godzilla Meet」「Bimmer vs Godzilla」などのイベント名を使う。
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呼び名がそのままマーケティングに利用され、NISMOパーツや限定仕様車にも反映された。
9. メディアと所有者の証言
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英『Evo』誌:「GT-Rは神話をまとった生き物だ」
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米国のオーナー:「ポルシェより安く、フェラーリより実用的で、同じように夢を叶えてくれる」
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ドイツのメカニック:「このクルマは戦車かコンピューターか、判断できない」
まとめ
GT-R R35が世界で得た呼び名は、「Godzilla」「ジャイアントキラー」「戦神」といった強烈なものばかり。それはR35が単なる日産車ではなく、国境や文化を越えたアイコンである証拠です。
30〜50代のクルマ好きにとって、GT-Rは少年時代の憧れと同時に「日本車が世界に挑んだ証」。呼び名を知ることは、その挑戦の記録をもう一度体験することに他なりません。
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