“その先の伝説”へ──R33スカイラインGT-R 開発秘話:走り続ける革新の設計書
序章:「進化」ではなく「脱皮」を選んだ瞬間1995年1月、R32スカイラインGT-Rの圧倒的な勝利からわずか数年。技術者たちは確信していた――「このままでは勝利が習慣となってしまう」と。勝ち方を見つけたのではなく、勝ち続けるためのクルマを設計し直さねばならないという宿命が、開発陣を駆り立てた。同年1月の発売そのものが、ただのモデルチェンジではなかった。それは、スカイラインGT-Rという名が放つ“勝利の象徴”を、次の世代へと刻み込むための壮大なリ・デザインだった。「勝利の質を変えろ。速さだけでなく、信頼性で、制御で、完成度で勝て」――開発責任者(当時)この言葉は、R33が高速タービンの音で走るのではなく、静かに加速し、確実に勝利を重ねるマシンであることを予示していた。I.技術的な“成熟”──RB26DETTの深化と課題克服微かに聞こえる直列6気筒ツインターボの呼吸。その心臓、RB26DETTは、R32で既に驚異的進化を遂げていたが、R33開発陣はさらにその“潜在能力”に刃を立てた。Wikipediaによると、R33ではこのエンジンの「オイルポンプドライブカラー」という弱点が改善された。ウ...


